▼ハーブとスパイスであそぶ|第1回

OSAJI JOURNALでは、「朝夕」という屋号で料理を探求しているりえさんに、月に1度、その時の探求結果を発表してもらう場を設けました。その名も『お料理あそび』。野菜や野草や、季節の香り。軽やかに地球の素材を楽しむりえさんの、その旅路をお裾分けします。


はじめまして。朝夕のりえと申します。

日々、素材やお料理を探求し、お料理教室をしたり、ときどきお料理を振る舞ったりしています。

第1回目となる今回は、この冬から探求していたハーブとスパイスのことを少し。

きっかけは、数年前にドイツに滞在していたときのこと。

ドイツでは冬のホリデーシーズンになると、スパイスの香りが町中に広がって、それがとても好きだったのです。

そんなスパイスの香りでお部屋を満たしたい!

それがここ最近の私のテーマでした。

Tips 1 /ホットワインあそび

山梨のハーブスタンドさんから日本のハーブをお取り寄せ。

シナモンや八角、チョウジを使ったベーシックなホットワインに、日本のハーブ(ヒノキ、スギ、松、黒文字、金柑、柚子…)を合わせてみました。

複雑なドイツの香りに、日本的な香りが加わると、なんとも深みと温かみのある新しい香りに…

薬膳に使うみかんの皮を入れてみたり、その時にある果物を入れてみたり。ハチミツで甘みをつけてもいいし、ナツメやクコの実もいいですね。北欧のほうだと、アーモンドを入れて、そのままふやけたアーモンドも一緒に食べるみたいです。

その都度香りが変わるので、みんなでホットワインあそびをするのは、とっても楽しいひとときでした。


〈memo〉
お酒が苦手な人は、リンゴジュースであそぶのもおすすめ。
おなじようにリンゴジュースを温めながら、スパイスやハーブを重ねていってみてください。
ベースさえあれば自由自在にあそべるのが、楽しいところ。


Tips 2/お出汁あそび

日々のハーブ・スパイスあそびには「お出汁」が最適。

水出ししておいた昆布出汁を弱火で温めるときに、ハーブを入れて一緒に煮出すと、ふんわりと香りづけができて、とっても楽しいです。

おすすめは、月桃や黒文字、ローズマリーは煮出すと苦味が出るので、沸騰後に。

私は、百合根のリゾットを、黒文字とローズマリーを加えたお出汁でつくってみました。


〈memo〉
ハーブやスパイスは、水分系にはなんでもOK。
お味噌汁から、袋麺やカップラーメンでもいけます。
コーヒーは、ドリップするときに粉の上に乗せて一緒にお湯を注ぎます。
「買ったけどなかなか減らないなぁ」というハーブティーは、お料理に使ってあそんでみてください。
“お茶だから”という固定概念を外してあげると、何にでもなります。


Tips 3/香りあそび

私はよく、お料理と香りを合わせてみています。

お料理教室では、仲良しの『かほりとともに、』を主宰する沙里さんのフラワーウォーターと、京都の両足院の冬の香りのお香を使いました。

教室のウェルカムティーは、いちじくとコブシの葉っぱの煎茶と両足院の甘い香りのお香を合わせて。教室の締めには、柚子の寒天とクリアで澄んだ夜空のような沙里さんの香りを合わせて。

香りとお料理の組み合わせって、本当に奥深くておもしろいんですよ。

香りとともにいただくと、その感じ方がぜんぜん違うんです。


〈memo〉
好きなお香を焚きながら、お茶をいただいてみてください〜。
どんどんあそびたくなってきます…(笑)


次回の『お料理あそび』も、お楽しみに!


PROFILE

松井理恵

「朝夕」主宰 | 料理研究家

三重県生まれ。様々な食の仕事を経験後、味と香りの幅を広げるためドイツに2年半滞在し、表現としての食のあり方に触れる。現在は滋賀県を拠点に「朝夕」という屋号で料理教室、料理会、レシピ開発、食まわりのコーディネートなどを行なう。


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