▼小さな予感から | 第1回

OSAJIで、パッケージから写真のディレクションまで、デザインの見え方にまつわる仕事をしています。

ものをつくるとき、いつも頼りにしているのは、ふと訪れる“小さな予感”。

それが「なんかいいな」と胸に引っかかる瞬間だったり、ふと目に留まった色の並びだったり。

私たちがつくるものに、「なんかいいな」と興味を持ってくれると、うれしいなと日頃考えています。

今回は、いまの自分を動かしているその感覚について、少しだけお話します。

 

OSAJI デザイナー
嶋田理沙


第1回
小さな予感から


まばたきみたいな気づきから始まるものづくり

はじめまして。デザイナーの嶋田です。
自分のことを語るのは少し照れますが、OSAJIの世界をどう見て、どう形にしているか、少しだけお話させてください。

何かをつくるとき、私はいつも“ふとした気づき”を頼りにしています。

言葉になる前に胸の奥でチラッと揺れる違和感。
視界に何度も入ってくる色の並び。
なんとなく心に残る、街の光や風景の瞬間。

ものづくりって、答えがあるような、ないような。だからこそ、正解を求めるよりも、そのときの自分が確かに惹かれた感覚を信じたい。

そして、最終的に製品として世の中に出た姿が、その都度“答え”なのだと思っています。


最初に触れるものを大切にしたい

新しいプロダクトに向かうとき、最初に取り掛かるのは、たいていパッケージです。

手に取った瞬間の質感や温度は、言葉より先に「おっ」と心に届くんです。そこから波紋のように広がって、やがて全体の世界観が少しずつ輪郭を持ちはじめます。


Yuzuがくれた、静けさの中の“芯”

「Yuzu〈ユズ〉」シリーズ(2025年発売)

毎年人気のYuzu〈ユズ〉シリーズですが、今年はデザインを変更することになり、いつもより少し早めの夏頃からとりかかりました。

ディレクターや商品企画担当と何度も対話を重ねながら、ひとつずつ確かめるようにデザインを進めていきました。

静けさの奥にある強さのような、そんな“芯”を感じる、また新しい世界観になったと思っています。


MAKEUP COLLECTIONで出会った、懐かしい“ざらり”とした光

2025 HOLIDAY MAKEUP COLLECTION “ヒントのかけら”
2025 AUTUMN MAKEUP COLLECTION “我が道”

MAKEUP COLLECTIONには、いつもすてきなテーマがあり、資料を開いたり打ち合わせを重ねるたび、自然とわくわくしてしまうんです。

今年のAUTUMN MAKEUP COLLECTIONとHOLIDAY MAKEUP COLLECTIONは、いつもより少し冒険したビジュアルに挑戦したシーズンでした。撮影しているときからリリースするのが楽しみで、胸が高鳴りました。

ざらりとした光、フィルムの粒子、写真の向こうに漂う空気の質感。

懐かしさと新しさが混ざり合う瞬間に出会えた気がしています。


小さなゆらぎを楽しむ

半年後に振り返ると、「いまなら違う選択をするかも」と思うこともあります。
でも、それこそ正解のない世界のおもしろさ。

次はどんな小さな気づきに出会えるのか、どんな光が心を揺らしてくれるのか。

そんな予感に耳を澄ませながら、これからもOSAJIの世界をそっと形にしていけたらな、と思っています。


PROFILE

嶋田理沙

OSAJI デザイナー

2022年に「OSAJI」に入社。パッケージや販促物などのデザイン業務を中心に、撮影ディレクションなどクリエイティブ全般を担当する。


Interview:Ayumi Oguma

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