▼スタイリスト 伊藤まさこさん | SPECIAL INTERVIEW

いろいろな制限に不便と感じる世の中でも、自分次第でほんの少し前向きな暮らしへとシフトできる。OSAJI が出会う素敵な女性は、どんな変化をもたらし、どんな日常を過ごしているんだろう?そこには学ぶべき暮らしのヒントがたくさんありました。


ジムやエステ通いをはじめて健康でいることの大切さを知った

新型コロナウィルスの流行でここまで長く制限された生活が続くとは思いませんでした。ただ、幸いなことにコロナのせいで人生が変わった、とは思っていません。多分、わたしは不便なことを不便と感じない性格なんでしょうね。もしかしたら子供が小さかったら大変だったかもしれない。学校は?仕事のときはどうしたらいいの?って。でも子供はもう大きくて手のかからない状態だったし、仕事の外出もいまは週1回程度。仕事と休日の割合が入れ替わりましたが、それはそれでしょうがないと逆に割り切って暇を楽しむようにしています。1年前からパーソナルジムに通い始めたんです。そうしたら足のかかとがツルツルしてきて。エステにいったとき、血行がよくなったからだと思いますよと言われてびっくり。足のタコも立ち方を教えてもらったらなくなった。面倒くさいなと思う日もあるけど、行けば楽しめる。3週間おきに髪を切りに行き、2週間おきに整体やエステにいくというルーティンができました。

いつか使うという考えはやめて今をベストな状況に

普段からやりたいなと思っていた自宅の整理整頓を1年かけてやり、持ち物が30〜40%ほど減りました。まず、リビングにある備え付けの棚が6つあり、すべてに食器が入っていましたがそれを減らし、1つは仕事道具を収めるスペースに。器のラインナップの変化としては、フランスのアンティークの白皿を手放し、ジノリのプレーンな白皿に買い換えてフレッシュな気分に。仕事道具に関しては、書類をとっておくことが嫌いなので、終わった仕事の資料などはすぐ処分する。しまっている本も自分の著書本のみ。前は寝室に作り付けの本棚があったんですけど、しっくりこなかったので取り外したんです。減らした器や本、服などは捨てることはしません。使ってくれそうな友人の顔を思い出し、差し上げています。昔、スウェーデンに行ったとき、おしゃれなリユースショップをたくさん見かけて。いいものを巡り巡って大事にする環境に共感したので、わたしもそうしたいなと思ったんです。いつかのためより今の方が大事だなって。

潔くすっきりすることはわたしにとっていいことづくめ

以前、友人宅に遊びに行った時に、キッチン台が何もなくすっきりしていた状態を見て、これはいいなと思ったんです。それからはキッチンには何も置かずに必要なときに棚からとるようにしています。わたしは掃除が好きというよりもごちゃごちゃしているのが嫌いなんですよね。物を置いてごちゃごちゃなるくらいならすっきり何もない状態が理想的。リビングもソファとミニテーブル、イス、デイベッドだけ。すっきりしたスペースを作ることで床拭きなどの掃除がしやすくなりました。デイベッドはステイホーム中に買ったもの。好きな色のカバーにしてリビングに馴染むように。ここで本を読んだり、パソコンを開いて仕事をしたり、たまには横になったりしてリラックスしています。そんなときには、お気に入りの茶香炉にweeksdaysとOSAJIのコラボアロマオイルをたらし、好きな香りでさらに癒されています。

些細なことでも好きなことをどんどんすることでハッピーになれる

わたし、早起きなんです。外が明るくなってきたなと思ったらパッと目が覚めてしまう。夏と冬で起きる時間が変わるんですが、最近はだいたい4時半くらいかな。朝は頭がさえて、原稿書きなんかもよくはかどる。起きたら掃除して、散歩して、届いていたメールの返信をして……そうしたら9時くらいになっている。そして午後3時くらいから、今日は何のお酒を飲もうかな、とか考えてソワソワしちゃったり(笑)。お酒を飲むことが好きなので、飲食店でお酒を飲めないのはちょっと悲しいこと。でもそんなときは、娘とUberEatsで近所の美味しいカレーを頼み、家でお酒を飲み、友人おすすめのNetflixを観たりしてパーティー気分。料理をすることは好きだけど頑張らないって決めているんです。これは何にでもそう。気分じゃないときは息抜きをする。好き嫌いもはっきりしているし、それをうまく嗅ぎとる方。楽しいこと、いいことは取り入れ、嫌なことからは離れる。散歩する、掃除する、好きな香りを楽しむ、お酒を飲む、車でドライブする……、そういった自分にとって気持ちのいいことを取り入れていくとだんだんと機嫌 がよくなってくるものなんです。


PROFILE

伊藤まさこ

スタイリスト

料理や雑貨、インテリアなど、暮らしまわりのスタイリストとして雑誌や書籍で活躍。「まさこ百景」(ほぼ日ブックス刊)「母のレシピノートから」(文庫版 ちくま文庫)など、著書も多数。「ほぼ日」と一緒に作っているネットショップ「weeksdays」のプロデュースも手がけ、OSAJIとのコラボレーションアイテムも販売中。


photo:Miho Kakuta
edit & text:Kozue Takenaka

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