▼この悩みは皮膚科?美容皮膚科?迷った時に大切なこと

肌や髪をより健やかに美しく整えたいと思ったその時に、寄り添うことができるのが美容という術であり、皮膚科学からのアプローチ。

“自分らしいあり方”を自分で見つけて、愛でるためのお手伝いを。肌の外側からはもちろん、内側からのケアの大切さを提唱するOSAJIディレクター 茂田正和が、さまざまなお悩みにお答えします。



乾燥&敏感な目元の保護、ワセリン以外に良い選択はある?

Q.
目元がカサついてかゆみが出たのをきっかけにワセリンを使っていますが、肌が覆われる感じが苦手で…。

A.
目元は皮膚が薄く、寝ている時以外は瞬きによってアコーディオンのように皮膚を折りたたんで動かし続けていて、もともと角層のバリア機能が弱くトラブルが起こりやすい部分です。

かゆみが出た際の対処法として、皮膚科から処方された薬がある場合には、それをきちんと使いましょう。かゆみや赤みは、初期症状のうちにしっかり鎮めきることが大切。早々に化粧品での自己流ケアに切り替えてしまうと、二次被害に繋がってしまうこともあります。「強い薬かもしれないし、落ち着いたら使うのを止めても良いのかな…」といった不安が湧いた時は、再受診して医師の判断を仰ぐのが良いと思います。

化粧品にできることは、角層が健やかな状態に戻った“その後”。良い状態を保つために、日常的に管理していくことです。ただ、ワセリンについては皮膚科で処方されることも多く、外的刺激が角層に侵入するのをガードするという、化粧品に近い役割を持っています。そのため、かゆみに繋がりやすいカサつきをケアするには、最も賢明な選択の1つと言えます。僕がこれまで話をうかがったケースにおいても、花粉が飛散して症状が出る1か月ほど前からワセリンをしっかり塗ることで、大きなトラブルを感じることなく過ごせた方もいましたよ。

テクスチャが独特なワセリンだからこそ、できることがある。

ワセリンは市販のものから、最近ではソフトタイプなどもありますが、基本的に体温よりも高い温度にならないと溶けない性質なので、肌が覆われているような感覚は多少なりとも生じます。逆に、こういった肌を密閉するようなテクスチャだからこそ、バリア機能が弱ってしまっている皮膚に対しても、擬似的なバリアの役割を果たすことが期待できます。なので、外的刺激による炎症が起こって欲しくない部分をしっかり守りたいのであれば、ワセリン特有の重たさやペタペタ感はいた仕方ないかな、と思います。

ワセリンに頼らないアプローチがあるとするならば、時間はかかりますが食生活の工夫によって、肌のバリア機能の向上に役立つビタミンやミネラルを充実させるインナーケアをおすすめします。前回のQ&Aで詳しく説明しているのでぜひ併せてご覧ください。

また、秋冬によくご相談のあるかゆみに繋がりやすいボディのカサつきであれば、エプソムソルト(硫化マグネシウム)を入れたお風呂にゆっくり浸かるというアウターケアもおすすめです。マグネシウムは、肌のコンディションを整えるうえで、重要なミネラルのひとつです。お風呂上がりの肌にエプソムソルトのミストを使ってからボディクリームを重ねるのも良いと思います。ですが、傷口や赤くなっている部分にエプソムソルトのミストをダイレクトに使うのは避けてくださいね。


この肌悩み、美容皮膚科に行くべき?早急に判断するその前に。

Q.
稗粒腫と思われる毛穴詰まりのような細かいポツポツを美容皮膚科で取りたいのですが、肌が弱いので不安です。

A.
稗粒腫は皮膚科でも対応していると思うので、信頼できる先生を見つけて正しく診断してもらいましょう。また、肌が弱いから美容皮膚科で治療を受けても大丈夫かな…というのを心配する前に、その先生が専門としている分野などを事前に調べてみてください。僕は化粧品開発者として日本皮膚免疫アレルギー学会に所属していますが、美容皮膚科の先生もかなり所属されていますし、学術大会などにも、敏感肌に対してとても研究熱心な美容皮膚科の先生が足を運ばれている印象があります。

もちろん美容皮膚科の先生でなくとも、きれいになりたいという女性の心理やメイクをしたい気持ちに対し、理解を示してくださる先生は探せばちゃんといます。僕の知っている皮膚アレルギー専門の女性の先生は、「アレルギーが出やすい肌だからと言って、化粧品を使うのを止めなさい、なんて指導するのはむしろ皮膚科医として無責任」とおっしゃっていました。ひと口に皮膚科といっても、水疱瘡や帯状疱疹に詳しいとか、皮膚がんに詳しいとか、その先生が研究されてきた専門分野によって、経験や知識にそれなりの差異があると僕は思います。

肌が弱い、アレルギー的な症状が出やすいといった自覚がある方は、皮膚アレルギーの専門医を自分なりに調べて相談することを強くおすすめします。また、肌が弱いと感じている方が年齢を重ねる中で、例えばですが、エイジングケアとしてのピーリング施術を受けたいとか、そういった場合にもまずは、日本皮膚免疫アレルギー学会などに所属している美容皮膚科の先生を探してみてください。施術のレベル、デリケートになった状態の肌をどう扱えば良いかなど、親身になって丁寧な説明や指示をしてくれるかどうか。自分が心から納得できる先生を見つけることは、後悔しないための大事なリスクヘッジ術です。



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PROFILE

茂田正和

株式会社OSAJI 代表取締役 / OSAJIブランドディレクター

音楽業界での技術職を経て、2001年より化粧品開発者の道へ進み、皮膚科学研究者であった叔父に師事。2004年より曽祖父が創業したメッキ加工メーカー日東電化工業の化粧品事業として多数の化粧品を開発、健やかで美しい肌を育むには五感からのアプローチが重要と実感。2017年、スキンケアライフスタイルを提案するブランド『OSAJI』を創立しディレクターに就任。2021年にOSAJIの新店舗としてホームフレグランス調香専門店「kako-家香-」(東京・蔵前)、2022年にはOSAJI、kako、レストラン『enso』による複合ショップ(鎌倉・小町通り)をプロデュース。2023年、日東電化工業の技術を活かした器ブランド『HEGE』を手がける。著書『42歳になったらやめる美容、はじめる美容』(宝島社)。2024年2月9日『食べる美容』(主婦と生活社)出版。


interview : Kumiko Ishizuka

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