▼SOKI ATAMIで取り戻す“ありのままの自分” | SPECIAL REPORT

古くから湯治文化の根付く熱海に、地域の文化と食を感じながら心身を整える現代の温泉宿 SOKI ATAMI。客室のアメニティにはOSAJIのスキンケアラインが並んでいます。気張らずにありのままに、自分の本質に触れるひと時。宿に込められた想いを紐解きながら、OSAJIとの共通項をご紹介いただきました。



“ありのまま”が心地よい心と身体の本質に向き合う滞在。

熱海湾と熱海の奥座敷に位置し、静寂な空間に佇むSOKI ATAMI。まるで田舎の懐かしさと、現実から切り離された非日常な空間が共存する温泉宿です。

「SOKIとは『素器』、つまり素(す)のままの器(うつわ)という言葉に由来、ありのままの・飾らない・手を加えない本質の、といった意味があります。素の自分を見つめ直せる場所。旅の本質に触れる場所。押し付けがましくないけれど、しみじみと感じられるような、自然の中から生み出される素のままの美しさを、SOKI ATAMIに滞在していただく時間の中で体感いただけるよう、館内の至るところに想いを込めています」

熱海に古くから根付く“湯治”。江戶時代に徳川家康が湯治に訪れたことをきっかけに、病気や怪我の療養の場として栄え、現代に至るまで誰もが知る日本を代表する温泉地として愛されています。 SOKI ATAMIではその湯治文化を継承し、温泉に浸かり、地域の文化と食を感じながら心身を調える滞在を提供しています。

朝食や最上階の茶寮では、和漢を取り入れた食養生を。監修しているのは、漢方家の杉本格郎氏。

「杉本さんにお話を伺った際、“漢方の考え方の本質は〈土地のものを食べること〉にある”と話されていたことがとても印象的です。その土地で根付く植物には、その土地で生きるために必要な栄養素が備わっている。滞在を通して、日常生活の本質にも立ち返るきっかけになったらと思います」


人・自然との触れ合いから自ら感じ、調えていく。

「SOKI ATAMIでの滞在では、プロセスを楽しんでいただくことを大切にしています。例えば食事。食に込めたこだわりは語り尽くせないほどありますが、まずは、せっかく熱海の地に足を運んでいただいたのだから、地元のものを食べていただきたい。どんな土地でどんなプロセスを経て作物が育ち、どんな料理人によって調理されていくのか。里庭で育つ野菜やハーブのことや旬の食材について、街場のレストランのように和気藹々とした空気でコミュニケーションをとりながら味わっていただく。宿にいながらそんな温かい時間を過ごすことができたら素敵ではないかという発想から生まれました」

土を触ってみたり茶葉を混ぜたり、宿のスタッフと地域文化や食材について話したり。大自然とそこに生きる人々との触れ合いの中で思考や興味が生まれ、滞在を通して、子どもの頃の直感的で素直な感覚に戻るような、“ありのままの自分”に自ら調えていく。

「里庭での体験も館内のアートも、関わる深度はお客様によって様々です。ここでは、スパやアクティビティのように、受動的に癒されたり刺激を感じるということではなく、自分の心の動きに合わせて自分のペースで過ごすなかで、ありのままの自分を取り戻しにいって欲しいなと思っています」


役目を終えてアートへ、朽ちていく様に宿る美しさ。

「設計に入る際、建築家やデザイナーには、“素の器としてのデザインを”と依頼をしました。表現したかったのは、緻密に設計された美しいアートではなく自然に生み出される美しさ。それは、“経年変化を受け入れて慈しむこと”。朽ちていく様の美しさを感じて欲しいという思いもあります」

景石や外構サイン、SOKIスイートのテーブルには、日本の三大銘石として知られる「本小松石」を採用。熱海からほど近い真鶴町でのみ採掘される上質な石で、かつては江戶城の築城の際にも使われていました。

「本小松石は時間の経過とともに、味わい深い錆色に変化していきます。それでいて、⻑い時間を経ても機能として劣化しない。まさに“素の器”。SOKI ATAMIを体現したような自然物です」

館内にちりばめられたアート作品は、東京浅草橋で古道具を扱う白日が担当。人の手によってつくられた物たちが役目を終え、自然に還っていく途中。その過程に宿る神々しい表情を瞬間を掬いあげ、“あるがまま”を表現しています。

「コンセプチュアルな世界ではなく、押し付けがましくないけど、しみじみと感じてもらえるような、気張らない空間を大切にしています。自然に 存在するものから生まれているからこそ、心地よく楽しんでもらえていると思っています」


それぞれの空間に込められたおもてなしの心。

〈客室〉

「“素空間”をテーマに自然素材を取り入れた温もりある空間に。すべてのお部屋に温泉を備えており、好きな時間に好きなだけゆったりと浸かっていただけます」

内風呂・半露天・テラス露天など形式様々な温泉風呂を全室に備え、熱海湾を見渡せる部屋、奥座敷らしい緑や星空が望める部屋など10タイプ。インテリアデザインは、アーティゾン美術館などを手掛けてきたTONERICO:INC.が担当しています。

静岡県産の煎茶と季節茶に合わせて、地元 来宮神社にお供えされ、健康⻑寿・無病息災のご利益があるとされている「⻨こがし」を使ったお菓子をご用意しています。

〈大浴場〉

大浴場では時期に応じた季節湯や薬草湯、女性大浴場には蒸気湯から着想を得たスチームサウナも。

〈里庭〉

季節ごとの野菜やハーブ、伊豆半島で栽培が盛んな柑橘類など様々な作物を栽培している。滞在中には季節限定で収穫体験や、ハーブの蒸留水を使ったサシェ作りなど、自然に触れ四季を感じることができる。

「企画会議のなかで『かしこまった庭園はちょっと違うよね。田舎を訪れた時のような、懐かしい感覚が幸せだよね』と。そこで、オープン前の準備段階では本当に自分たちで畑を耕し苗を植え、自家農園のような空間を作りました。里庭というネーミングも、なかなかこうゆう宿では珍しいですよね。毎日手入れをするスタッフの姿をみて、温かみや愛情を実感する特別な場所になっています」

〈茶寮〉

「早朝、朝日が昇り色づいていく空や、夕暮れとともに静かに響く川のせせらぎ。お茶やお酒を嗜みながら読書をしたり、皆さんゆったりと、思い思いの時間を過ごされています」

静岡茶や季節の養生茶、里庭で採れたハーブを用いたカクテルなど、地元の素材を用いながら、心と身体を整えるメニューを。漢方家の杉本格朗氏が監修。季節ごとの心と体の調子に耳を傾け、自身をいたわる。

〈食事処〉

地元の漁師や農家、顔の見える生産者から直接仕入れる旬の食材を、炭火の炉を構えたオープンキッチンで臨場感たっぷりに調理。インテリアデザインは、age co.ltdが担当。

「朝食は、1日のはじまりに身体を整える養生御膳。東洋の自然哲学『五行説』を取り入れた御膳に加え、小鉢や薬膳カレーなどハーフビュッフェスタイルで楽しんでいただけます」


心身をホリスティックに捉え、自然の力に敬意を表す。

温泉に代表されるように、日本には昔から大切にされてきた、ホリスティックに美と健康を捉える作法がある。地域に根付く植物は、その土地で生きていくために必要な力を携えている。SOKIATAMIとOSAJIの考える心身の調和には、提供するプロダクトに込めた想いに共通項がありました。

「SOKI ATAMIで過ごす時間の中で、温泉が大切要素である以上、そのあとに使用するスキンケアにも同様にこだわりを持ちたいと思っています。OSAJIは、自然由来や温泉成分を配合していることや、日本産の素材を採用しているところにとても共感しました」 SOKI ATAMIとOSAJI、ホリスティックな視点の先に共鳴する、“自然のめぐみに感謝して、ありのままの自分に向き合う”こと。それが日々の日常を豊かにし、健やかな心身へと繋がっていく。

「シンプルに、心地よい時間を過ごす場と思っています。ぜひ癒されに来てください」

〈SOKI ATAMIスタッフのお気に入り〉

夜明けの茶寮
桐綾子さん

朝方に茶寮を訪れて朝日が昇る様子はとても贅沢です。山の奥から陽が上がってくる景色は絶景です。

里庭
竹村美香さん

朝食提供時、朝の空気が澄んだ里庭を眺めて癒されています。お食事処からの眺めや実際に散策してみて、身近な自然を楽しんでいただきたいです。

朝方の空気の澄んだ茶寮
澤端美侑さん

早朝、誰もいない茶寮で朝焼けを眺める時間がお気に入りです。早く目を覚まし、朝食の前に澄んだ空気を堪能していただきたいです。


SOKI ATAMI

住所 / 静岡県熱海市小嵐町4-36 ※JR熱海駅より車で約10分
電話番号0558-82-6511
info-atami@so-ki.jp
http://www.so-ki.jp

 


photo:shuhei tonami,zoom
text:Ayumi Oguma

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