メイクの力で心を健やかに、ポジティブに。 | 第1回

OSAJIメイクアップアーティストとして日々、直営店やOSAJI取り扱い店舗で、お客さまに実際にメイクレッスンをさせていただいたり、スタッフへのトレーニングや撮影業務、メイクアイテムの開発などに関わっております。

私がメイクを通してお伝えしたいのは“メイクを心から楽しんでもらいたい、そしてメイクには心を動かす力が宿っており、ご自身に留まらず周囲の方の「笑顔」が増える”ということ。この連載ではその想いをお伝えできたらと思っています。

今回は、私がメイクアップアーティストを志したきっかけのエピソードをお話させてください。

OSAJI メイクアップアーティスト
後藤勇也


第1回

メイクの力で心を健やかに、
ポジティブに

小さい頃から化粧品や美容にまつわることが身近な存在でした。


母は化粧品メーカーのインストラクターをしていたので、自宅にはいつも溢れるほどの化粧品がありました。近所のおばちゃん達がたくさん集まり、母のまわりで化粧品を囲んで楽しそうにしている、そんな環境で育った私にとって、美容専門学校への進学は自然ななりゆきでした。


でも、卒業後に入社した化粧品ブランドでは、アーティスト試験に何度も落ち、当時の上司には「たぶん向いてないから辞めた方が良いよ」と、はっきり言われるほどの落第生(笑)。たしかに料理も全くできないし手先も器用な方ではないので、メイクが向いているタイプではないのかもしれません。


あれから10年以上たった今、私はメイクの仕事を続けています。

メイクの仕事を続けていて、鮮明に記憶に残っているエピソードがあります。


当時勤めていたブランドの店頭で、マンツーマンでメイクレッスンをしていた時のことです。大学入学を控え、お化粧のやり方を学びに、お嬢さまとお母さまが来店されました。


お嬢さまは片腕がなく、両手を使ってメイクをすることができませんでした。私なりに片腕でもできるラインナップやメイク方法をご提案し、メイクを楽しむことを優先にお伝えしました。すると、俯きがちだったお嬢さまの表情がどんどん明るく前向きに、笑顔に変わっていったのです。そして、お嬢さまは一言「これなら私にもできる!」と。
その一部始終を目の当たりにしたお母さまは「内向的だと思っていた娘が、自分の家以外で楽しそうに話している姿を初めてみた!」と、とても嬉しそうに涙ぐんでいらしたのです。その姿は今でも鮮明に目に焼きついています。


メイクをするという行為は、外見の美しさだけでなく、こんなにも心にポジティブに作用するものなんだ。メイクの力を改めて実感したこの経験は、私がメイクアップアーティストとして活動を続けていく大切なモチベーションになっています。

そんな経験を経た私にとって、OSAJIとの縁は必然だったのかもしれません。使い方や順番にとらわれず、誰にでも使いやすいラインナップ、何より敏感肌でも使える成分設計にこだわったメイクアイテムというのは、使う人を選ばず、メイクそのものを楽しむことを可能にするブランドだと自負しています。


素顔の自分にメイクをまとうことで、“なりたい自分”に近づき、ポジティブな感情や自信が湧き上がる。
そんな働きが起こっているとしたら、メイクはなんて素晴らしい行為なのでしょうか。私はこの魔法のようなパワーを広める伝道師にならねばと思っています。


メイクって学校で習ったりするものでもないですし、これで合っているのかなと不安になることもあるかもしれません。でも大丈夫です。メイクに “似合う似合わない”はないですし、メイクバランスに間違いはない!とにかく好きな色を好きなように楽しんで欲しいなと思います。きっとそれこそが、あなたを内面から美しくしてくれるから。器用でなくてももちろん大丈夫。料理ができない私でもできるのですから(笑)。


メイクの力を借りて、心をポジティブに、健やかに。ぜひ一緒に楽しみましょう。


後藤勇也
OSAJI メイクアップアーティスト

多数のメイクブランドでのメイクアップアーティスト経験を経て、2020年より「OSAJI」 に入社。社内外のイベントでのデモンストレーションやスタッフの育成に取り組んでいる。OSAJIらしい、その人自身の魅力を惹きたてながら寄り添うメイクが好評。

Instagram: @yuyagoto__


STAFF DIALOG
OSAJIの美意識とクリエイティブを巡るダイアローグ。

OSAJI 代表 茂田正和・OSAJI デザイナー 石井このみ・OSAJI メイクアップアーティスト 後藤勇也・enso シェフ 藤井 匠の対談はこちら