隠すベースメイクから自分を彩るベースメイクへ。 | 第3回

OSAJIメイクアップアーティストとして日々、直営店やOSAJI取り扱い店舗で、お客さまに実際にメイクレッスンをさせていただいたり、スタッフへのトレーニングや撮影業務、メイクアイテムの開発などに関わっております。

私がメイクを通してお伝えしたいのは“メイクを心から楽しんでもらいたい、そしてメイクには心を動かす力が宿っており、ご自身に留まらず周囲の方の「笑顔」が増える”ということ。この連載ではその想いをお伝えできたらと思っています。

OSAJI メイクアップアーティスト
後藤勇也


第3回

隠すベースメイクから
自分を彩るベースメイクへ

突然ですが、肌悩みはありますか?
こう質問されて、肌悩みが全くない!と胸を張って答えられる人は、おそらくほとんどいないですよね。年齢を重ねるにつれて、悩みの種類も増えてくるものだと思います。

その肌悩みに蓋をするように、コンシーラーやファンデーションを塗り重ねていく。カバーすることにフォーカスしすぎてしまうと、ベースメイクはどんどん楽しむものから遠ざかり、粗を隠すための作業になってしまいます。そして手間がかかればかかるほど、限られた朝の支度時間に、ポイントメイクを楽しむ余裕はなくなってしまうという悪循環に。

今回お伝えしたいことは、重ねるメイクからの脱却です。100%隠すのではなく、気になるところはカバーしつつも、ポジティブにコンプレックスと向き合うメイクへアップデートするきっかけになれたら嬉しいです。

そもそもベースメイクって、ポイントメイクのように個性や好みを第一に考えながら行う工程でもないですし、ベースメイクを主役にしたメイクLOOKだと、かなり上級者向けになってしまいますよね。

決められたステップ(日焼け止め下地→コントロールカラー→コンシーラー→ファンデーション→フェイスパウダーといったような)を日々、完璧にしないといけないと思っている方が多いように感じます。

気になるものは気になるし、何をどう変えたらいいか分からないし、ポイントメイク以上に、急に変えるのが難しかったりします。

そんな方に、今回私が提案したいのは、“いつもと違う場所でメイクをしてみる”ということです。

お休みの日に、少しゆっくりと、窓際や自然光のもとでメイクをしてみてください。

いつもは窓のない洗面所で、蛍光灯に照らされながらメイクをしているという場合は、少し暗く見えてファンデーションが濃くなってしまっていたり、逆にハリウッドミラーのような強い光の場合は、角度によっては必要以上に肌の色ムラや毛穴が目立ってみえてしまっている可能性も。

自然の光の中で、本来備わっているツヤ感や血色感を感じたり、いつもと違う環境でメイクをすることで、毎日見ているはずの自分の顔や肌にも新たな発見があるかもしれません。

自分で思っていたよりもキメが整っていて、光の反射によるツヤがきれいだったから、それを活かしてパウダーはあまり重ねないでおこう!とか、頬周りはチークをまとえばそんなにカバーしなくても気にならないかも!など、ルーティンになりがちなベースメイクのステップを見直すきっかけになると思います。

ベースメイクに限らず、私はこう!と、自分でつくり上げてしまった固定観念を打破するための1アクションとして、いつもと環境を変えてみることはとても有効だと思います。ぜひ試してみてください。

ベースメイクを楽しむために、もう1つヒントを。キーワードは“質感と立体感です。

厚くカバーすることよりも、質感+立体感を重視してメイクをしてみてください。

そばかすや赤みが透けていても大丈夫。むしろ、その人の感情や温度が伝わる肌ってとても魅力的だなと、長年メイクアップアーティストとして活動する中で実感しています。

そしてベースメイクも、気分やシチュエーション、ファッションによって変えていいのです。
例えばですが、フォーマルな場面では、少しカバー力のあるファンデーションをパウダーでおさえてハーフマットにしつつ、コントゥアリングできちんと感を演出してみる。プライベートでお出かけの時は、自然なツヤ感を残した抜け感のあるカジュアルな仕上がりにしてみる。華やかな場面では、光を多く取り入れ、ハイライターやパール感のあるフェイスパウダーを選んでみる。

そして、季節によっても、洋服が薄手になる暖かい季節は下地とコンシーラーだけで軽やかに仕上げてみたり、コートを羽織るように少し濃厚なカバー力のあるファンデーションを使ってみたりしてもいいのです。

機能的な役割だけでなく、自分を彩る一つとしてベースメイクを気軽に楽しんでみてくださいね。

Interview:Ayumi Oguma


後藤勇也
OSAJI メイクアップアーティスト

多数のメイクブランドでのメイクアップアーティスト経験を経て、2020年より「OSAJI」 に入社。社内外のイベントでのデモンストレーションやスタッフの育成に取り組んでいる。OSAJIらしい、その人自身の魅力を惹きたてながら寄り添うメイクが好評。

Instagram: @yuyagoto__


STAFF DIALOG
OSAJIの美意識とクリエイティブを巡るダイアローグ。

OSAJI 代表 茂田正和・OSAJI デザイナー 石井このみ・OSAJI メイクアップアーティスト 後藤勇也・enso シェフ 藤井 匠の対談はこちら