メイクを楽しむことで、今よりちょっと、色鮮やかな毎日に。 | 第2回

OSAJIメイクアップアーティストとして日々、直営店やOSAJI取り扱い店舗で、お客さまに実際にメイクレッスンをさせていただいたり、スタッフへのトレーニングや撮影業務、メイクアイテムの開発などに関わっております。

私がメイクを通してお伝えしたいのは“メイクを心から楽しんでもらいたい、そしてメイクには心を動かす力が宿っており、ご自身に留まらず周囲の方の「笑顔」が増える”ということ。この連載ではその想いをお伝えできたらと思っています。

OSAJI メイクアップアーティスト
後藤勇也


第2回

メイクを楽しむことで、今よりちょっと、色鮮やかな毎日に

この連載の初回でお話させていただいたように、メイクを通して心がパッと晴れやかになる瞬間の数々を目の当たりにしてきた私が思うこと。それは、メイクをすることが義務になってしまっていたり、楽しめずにいる人が多い!ということです。

身だしなみとして、あるいはコンプレックスを隠すためとして、何となく、いや、仕方なくメイクしているというのが本音だったりするかもしれません。また、そのような話を時折聞くこともあります。

今回私がお伝えしたいことは「メイクを楽しんで欲しい!」です。

人の目や固定概念、世の中のメイクにまつわるルールなど、しがらみに捉われることなく自分を表現して欲しいのです。なぜなら、メイクを楽しむことは、間違いなく心にポジティブに作用し、毎日が今よりちょっと鮮やかになると思うから。

そのために必要なのは、知識やテクニックもある程度は必要ですが、それよりも、ほんの少しだけ考え方を変えること。その心のスイッチのひと押しを、サポートできたら嬉しいです。

まず、メイクすることを楽しめない大きな理由として「似合う・似合わないに捉われてしまうこと」があると思います。

例えば、パーソナルカラー。

“私はイエローベースだから、アイスブルーのアイシャドウは似合わない!” そんな風に決め込んでしまっていませんか?自分で選んでゆくよりも、ルールに則って枠におさめていく方が簡単で安心するという気持ちから、あえて考えないようにしているということもあるかもしれません。でもその積み重ねが、メイクを楽しめなくさせてしまうかも。

以前から雑誌でよく耳にする言葉、“ハズレなしメイク”や“黄金比メイク”も同じ。知識として知っていることは悪いことではないですし、参考にするのは良いですが、これも、顔の形が丸型ならチークの入れ方はこう!このメソッドに当てはまらないから似合わない!と頑なになってしまうのはもったいないなと、個人的には思います。

そしてもう一つ、メイクを楽しめない大きな理由。それは、コンプレックスに集中しすぎてしまうこと!こちらについてはまた改めて詳しくお話する予定ですが、ぜひぜひ、自分に対しての視点を変えてみて欲しいんです。あなたがコンプレックスと思っているパーツも、実はチャームポイントになりうるし、魅力的なんです。

日々店頭でお客様と接する中でも、それは実感しています。ムラのないフローレスなベースメイクももちろん美しいですが、そばかすや赤みが透けてみえる肌の方が、その人らしさや温もりを感じてとても魅力的だなと感じますし、それが伝わるようなメイクを提案するようにしています。

ではどうやって、メイクに対する視点を変えていったら良いか。

まずは、似合わないと決め込まず、この色が好き!キレイ!かわいい!と直感的に感じる気持ちを優先してみて欲しいです。

OSAJIメイクアップコレクションのディレクターであるAYANAさんの言葉をかりるなら、「メイクは落とせる」のですから。

失敗したら、落としてまたメイクし直せば良いのです。そう考えると、メイクって、自分のワクワクした気持ちやトキメキを表現するのに、一番気軽でトライしやすいものだと思いませんか?

そうやって、毎朝少しだけ自分の“好き”と向き合い、“ワクワク”する気持ちを持つ瞬間を積み重ねていくことで、自分だけのムードができてきて、自信が持てるようになって、毎日がちょっと鮮やかになっていく。メイクの力はそれほどに偉大だと確信しています。

これは、メイクだけに限った話ではないかもしれませんが、「人にどう見られるか?」を意識しすぎてしまうと、疲れてしまいますよね。相手のことを想う気持ちやTPOを考えることは素晴らしいことですが、自分の“好き”や“ワクワク”する気持ちを尊重してあげる第一歩としても、メイクを楽しむことはとても有効だと思います。

季節は一気に進み、もう夏が目前に。

どんな洋服を選んで、どんなメイクを合わせようか。自分がトキめいて選んだメイクで出かけたら、「今日のアイシャドウ、何色?」なんて聞かれたら、その日はルンルン🎵で過ごせそうですよね。

毎朝のメイクが、一日のはじまりに彩りを与えてくれるものであると嬉しいなと思っています。

Interview:Ayumi Oguma


後藤勇也
OSAJI メイクアップアーティスト

多数のメイクブランドでのメイクアップアーティスト経験を経て、2020年より「OSAJI」 に入社。社内外のイベントでのデモンストレーションやスタッフの育成に取り組んでいる。OSAJIらしい、その人自身の魅力を惹きたてながら寄り添うメイクが好評。

Instagram: @yuyagoto__


STAFF DIALOG
OSAJIの美意識とクリエイティブを巡るダイアローグ。

OSAJI 代表 茂田正和・OSAJI デザイナー 石井このみ・OSAJI メイクアップアーティスト 後藤勇也・enso シェフ 藤井 匠の対談はこちら