自家製 柚子胡椒 | 第3回

OSAJIが鎌倉に展開する〈enso〉。
調香専門店とショップを併設するこのレストランでは「鎌倉野菜を主に旬の食材、自家製の発酵食品や調味料を使った創作料理のコース」を季節ごとにメニューを変えて提供しています。

この連載では、食材、調味料、調理方法などに対しての自分の想い、そして、ご家庭でも取り入れやすいレシピやワンポイントなどもご紹介していきます。〈enso〉の料理やコンセプトを感じていただけたらと思っています。

ensoシェフ
藤井匠


第3回
自家製 柚子胡椒

先日、ensoのオンラインショップがオープンしました。

まだまだ商品数は少ないですが、ensoのコンセプトの一つである“調味料を自家製すること”のお裾分けができるようになりました。

開業時より作り続けている調味料の一つ、自家製 柚子胡椒。

ensoのレストランの裏庭には柚子の大木が生えていて、春には新芽が芽吹き、初夏には小さな白い花が咲き、夏には青柚子が生り、秋には実が大きくなり黄色く色づき、冬には葉が落ちていきます。

移り変わる柚子の木を眺めて季節の移ろいを身に受ける幸せの中でお料理をしながら、毎年柚子の使い道を考えています。

そんなensoのシンボルツリーである柚子の木から実を採るところから、この自家製の柚子胡椒作りは始まります。

丁寧に剥いた柚子の皮と絞った果汁、唐辛子と塩を混ぜ数カ月熟成させます。

ensoでは今年の夏に、発酵させたトマト果汁で漬けにした初鰹のたたきに、焼いたピーマンと自家製の柚子胡椒のソースをかけたお料理を提供します。

数カ月かけて発酵調味料を自家製するところから始まる、なかなか手の込んだお料理なのですが、今回の連載ではご自宅でもとても簡単にできる‘’柚子胡椒を使った夏野菜のお浸しのレシピ”をご紹介します。

今回は鎌倉のファーマーズマーケットで購入したつる菜で作ってみました。

他にも、おかわかめやモロヘイヤ、明日葉など夏ならではの葉野菜でぜひ作ってみてください!

  1. 1.鍋にたっぷりのお湯を沸かします。少し塩辛いかなくらいの塩を入れ、お好みの葉野菜をさっと10秒ほど下茹でします。葉野菜はすぐに火が入るので、茹で時間は一瞬です。茹でたら氷水を貯めたボウルに葉野菜を入れ、余熱で火が入るのを防ぎます。
  1. 2. 茹でた葉野菜の熱が取れたら水気をよく絞ります。ここで水気をしっかり絞らないと味の薄い水っぽいお浸しになってしまいます。
  2. 3.鰹と昆布のお出汁100cc(昆布と鰹節を一晩水に浸けておくだけでもよいです)に柚子胡椒10g、お塩ひとつまみを鍋に入れ一煮立ちさせ、温かいうちに茹でた葉野菜を漬け込みます。
  3. 4.漬けたら3時間~一晩置いたものが食べごろです。漬け汁ごとお皿に盛り、かつお節やごまなどをお好みであしらったら完成です。

    15分くらいで作れるシンプルなレシピなのでぜひ作ってみてください!

    また、6月末日まで代官山蔦屋書店で開催されているポップアップ「甘糟りり子が選ぶ鎌倉商店」にも数量限定ですが、ensoの調味料を置いていただいてます。

    ぜひ足を運んでみてください!

    発酵させたトマト果汁で漬けにした初鰹のたたきに、焼いたピーマンと自家製の柚子胡椒のソースをかけて(今年の夏、ensoで提供予定)


    藤井 匠
    enso シェフ


    大学で心理学専攻し卒業後、都内のホテルやイタリアン、フレンチで調理を学ぶ。2013年、INTERSECT BY LEXUS TOKYO開業時よりスーシェフに就任。2017年にはWE ARE THE FARMグループ全店の総料理長となり、グループが持つ畑作業にも従事。2018年、L’Effervescenceでの研修を経て姉妹店であるbricolage bread&co.開業時よりヘッドシェフを務める。2022年4月より「enso」ヘッドシェフ就任。


    enso


    住所:神奈川県鎌倉市小町2丁目8-29
    営業時間:
    平日 / 10:30〜18:00(調香体験・ショップ)
       11:00〜18:00(レストラン)
    土日祝 / 8:00〜18:00(調香体験)
        8:00〜19:00(レストラン・ショップ)
    定休日:水曜日(祝日の場合、翌平日)
    https://www.enso-osaji.net


    STAFF DIALOG
    OSAJIの美意識とクリエイティブを巡るダイアローグ。

    OSAJI ブランドディレクター 茂田正和・OSAJI デザイナー 石井このみ・OSAJI メイクアップアーティスト 後藤勇也・enso シェフ 藤井 匠の対談はこちら