▼クラフト甘酒 | 第8回
OSAJIが鎌倉に展開していた〈enso〉。
香りと食を通じて、四季の移ろいを届け続け、そこで培った時間や出会いはこれからも自分の料理の中に息づいていきます。
この連載では、食材や調味料、調理方法など「食」に向ける自分の想いを綴りながら、日々の営みの中に息づく食のかたちをお伝えしていけたらと思っています。
ensoシェフ
藤井匠
第8回
クラフト甘酒
新しい年に、甘酒を仕込む
お正月にふさわしい発酵食品といえば、甘酒!
ということで、昨年末は新年に向けて甘酒づくりに没頭していました。
甘酒は、美容効果(美白・保湿・肌のハリ・ターンオーバー促進)や、健康効果(腸内環境改善・疲労回復・免疫力向上)を意識する方にも取り入れやすい食品のひとつです。
飲料という形状も、日常に取り入れやすいですよね。
市販されている種類も豊富で、身近な発酵食品だと思います。
腹持ちがよく、エネルギーに変換されやすいブドウ糖が豊富なため、朝に飲むのもおすすめ。一日の始まりのエネルギー補給にいいと思います。
その一方で、カロリーが高く、飲み心地が重たく感じられたり、独特のクセが苦手という方も。
やさしい甘さを、自分好みに
今回は、そうしたマイナスな印象をやわらげるべく“クラフト甘酒”に挑戦しました。
甘酒はもちろん自家製。
まずおかゆをつくり、そこに米麹を混ぜます。それを麹菌が働きやすい温度帯で8時間ほど保温することで、お米のでんぷんが糖に分解され、自然な甘みのある飲み物になります。
一般的な白米(うるち米)のほか、黒米や赤米、玄米などでつくれば、色合いや風味、味わいの印象も変わってきます。

左が黒米でつくった甘酒、右が赤米でつくった甘酒。
どちらもポリフェノールが豊富で、肌への美容効果も。
でき上がった甘酒は攪拌して、なめらかに。
甘酒がお好きな方はそのままでも、お米と発酵由来のやさしい甘み、トロッとした口当たりを楽しめますし、お好みで水やお湯で割ってもいいですね。
カロリーや特有の甘みが気になる方は、ここにお好きなフルーツや野菜、豆乳や牛乳、ヨーグルトなどを混ぜて希釈することで、甘みを抑えたり、クセをマスキングすることができます。
少し酸味のある素材を足すと、飲みやすくなるのでおすすめです。
僕が今回つくったのはこちら。

キウイとバジルとライム。

マンゴーとみかんと山椒。

リンゴとビーツとフランボワーズ。
甘酒はすべて、一般的なうるち米で仕込みました。
「自家製は少しハードルが高い」と感じる方は、市販の甘酒にお好きな素材を加えるところから、ぜひ試してみてください!
PROFILE
藤井匠
enso シェフ
大学で心理学専攻し卒業後、都内のホテルやイタリアン、フレンチで調理を学ぶ。2013年、INTERSECT BY LEXUS TOKYO開業時よりスーシェフに就任。2017年にはWE ARE THE FARMグループ全店の総料理長となり、グループが持つ畑作業にも従事。2018年、L’Effervescenceでの研修を経て姉妹店であるbricolage bread&co.開業時よりヘッドシェフを務める。2022年4月より「enso」ヘッドシェフ就任。
enso
■住所 / 神奈川県鎌倉市小町2丁目8-29
■営業時間 / 平日 10:30〜18:00(調香体験・ショップ)・11:00〜18:00(レストラン) 土日祝 8:00〜18:00(調香体験) 8:00〜19:00(レストラン・ショップ)
■定休日 / 水曜日(祝日の場合、翌平日)
https://www.enso-osaji.net
※鎌倉ensoは建物の所有者さま都合による建物取り壊しのため、2025年7月27日(日)をもって、鎌倉・小町の現店舗を閉店させていただきました。