▼台湾に学ぶ、自分軸でメイクを楽しむということ。 | 第8回

OSAJIメイクアップアーティストとして、日々お客さまへのメイクレッスンやスタッフのトレーニング、撮影、メイクアイテムの開発などに携わっています。また、インスタLIVEやメイクイベントを通じて、OSAJIのメイクをより多くの方に知っていただく活動も行っています。

私がメイクを通してお伝えしたいのは、“メイクを心から楽しんでもらいたい” 、そして、メイクには心を動かす力が宿っており、ご自身に留まらず、周囲の方の「笑顔」も増やしてくれること。この連載では、その想いをお伝えできたらと思います。

 

OSAJI メイクアップアーティスト
後藤勇也


第8回

台湾に学ぶ、自分軸でメイクを楽しむということ。


出張先で出会った、新しい価値観。 

少し前の話になるのですが、台湾へ出張しました。台湾の美容文化を直に感じることができ、多くの気づきがあった旅でした。

まず大前提として台湾のメイク文化は、仕事の日(いわゆるオンの日)であっても、すっぴんで出社する人もいれば、しっかりフルメイクな人も半々にいるそうで、価値観は人それぞれ。日本のように”身だしなみの一つとしてメイクをする”のではなく、純粋に“その人の選択”なのです。

さらに興味深かったのは、台湾の人々のメイクとの向き合い方でした。

台湾では「バズる」という事象があまりなく、たとえばアイドルやインフルエンサーがおすすめしていた製品だからといって、そのまま真似して買うという購買行動はそれほど多くないそうです。店頭でメイクレッスンを受けても、教わったとおりにメイクをするのではなく、得た情報を踏まえて、「自分ならこうするかも」「この組み合わせが似合うかも」と一度、自分仕様にアレンジをする。その結果、自分が納得したものであれば高価格でも迷わず購入する。

そこには、外からの情報に流されるのではなく、自分の感覚を信じる強さを感じました。

性別の境界線も、日本よりもずっと自由でした。どのブランドにも当たり前のように男性の美容部員がいて、メンズラインやユニセックスな製品が充実している。

美しさを追求することに、性別は関係ないのだと、肌で感じました。


OSAJIの価値観と重なる、心地よさを大切にする感覚。 

色の選び方や使い方、メイクステップに縛られず、「自分が心地よいと思える感覚」を大切にすること。意図していたわけではないのに、台湾の自由でしなやかなメイクカルチャーと、OSAJIが大切にしてきた価値観が重なり合っていることに、不思議な縁を感じました。

また、台湾の人々の裏表のないまっすぐな感情表現や、熱意あるおもてなし精神に触れることもできました。OSAJIのメイクアイテムを使用したデモンストレーションでは、本当に熱心に質問をしてくださり、感謝の気持ちをダイレクトに伝えてくださる。私自身、襟元を正される想いでした。

帰国してから、この旅で感じたことを何度も反芻しています。

やはりメイクに正解はなく、”自分の好き”を大切にしてほしい。

いつも同じ想いに行き着くのですが、台湾で出会った人々の姿を通して、その想いがより深く、確信に近いものになりました。

みなさんも、最初は誰かの真似から始めても構いません。大切なのは、そこから自分に合うスタイルを見つけて、自分だけのメイクを楽しんで欲しいと思います。

そこには、きっとあなただけの美しさが宿っているはずです。


PROFILE

後藤勇也

OSAJI メイクアップアーティスト

多数のメイクブランドでのメイクアップアーティスト経験を経て、2020年より「OSAJI」 に入社。社内外のイベントでのデモンストレーションやスタッフの育成に取り組んでいる。OSAJIらしい、その人自身の魅力を惹きたてながら寄り添うメイクが好評。


Interview:Ayumi Oguma

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