▼心が軽くなった話。 | 第9回

OSAJIメイクアップアーティストとして、日々お客さまへのメイクレッスンやスタッフのトレーニング、撮影、メイクアイテムの開発などに携わっています。また、インスタLIVEやメイクイベントを通じて、OSAJIのメイクをより多くの方に知っていただく活動も行っています。
私がメイクを通してお伝えしたいのは、“メイクを心から楽しんでもらいたい” 、そして、メイクには心を動かす力が宿っており、ご自身に留まらず、周囲の方の「笑顔」も増やしてくれること。この連載では、その想いをお伝えできたらと思います。
OSAJI メイクアップアーティスト
後藤勇也
第9回
心が軽くなった話。
心が整うメカニズムを知って。

先日、OSAJIディレクターの茂田より皮膚科学についての社内勉強会がありました。勉強会のなかで、すごく心打たれた話があったので、今日はそのことについてお話したいと思います。
茂田は常々、「健やかな肌がつくられるためには、化粧品だけではなく、食べることや香りの作用など、生活のなかで選択するひとつひとつによって心が安定し肌も整っていく」という話をしていますが、それを科学的に解説してもらったような内容でした。
印象的だったのが、三大幸福ホルモンと肌との関係についての話です。
三大幸福ホルモンについて簡単にお伝えすると、気持ちを前向きにしたり安らぎを与えたりという役割をもつ神経伝達物質で、セロトニン、オキシトシン、ドーパミンの3種類があります。
セロトニンは心を落ち着け、安定した気分をつくる精神安定の土台となるようなホルモンで、日光浴、ウォーキングやヨガなどの有酸素運動、バランスのとれた食事、そして香りによっても分泌を促すことができます。
オキシトシンは別名”愛情ホルモン”。スキンシップや人とのつながりによって愛情が満たされ、安心感や信頼感を高めます。
そしてドーパミンは、意欲や集中力を高めて“ドキドキ”と高揚感や興奮を覚えるホルモンで、達成感やモチベーションを生み出すとされています。
人は、この3タイプの感情が繰り返されることで、心が安定し成熟していくそうです。
香り・スキンケア・メイクがつなぐ幸福の連鎖。

OSAJIの話に戻すと、この三大幸福ホルモンがもたらす心の安定から高揚感へとつながる循環を、じつはOSAJIの製品で体現することができるラインナップになっていて、自然とこの感情循環をサポートしてくれるんです。
フレグランスやディフューザーは、香りのアプローチからセロトニンに働きかけ安らぎを。
スキンケアで肌や身体に触れながらオキシトシンの分泌を促し気持ちを満たす。
そしてメイクは、鏡の前で変化する自分に気づいた瞬間、その心には小さなドキドキが芽生え、ドーパミンが活性化されるのです。
この話を聞いたときに、私の心はすーっと軽くなったように感じたのです。
25年ほどメイクに携わる仕事をしていて、お客様にメイク後の変化を喜んでもらえたり、いつもと違うメイクや試したことのない色に挑戦してワクワクされている様子を目にすることはもちろんあったのですが、それがメイクの効果として体系的に証明されたことで、私の心の中もクリアになり整理されたように感じました。
これまでやってきたことやメイクとの向き合い方に対して「これでいいんだよ!」と背中を押してもらえたような。そして、「私の活動は社会的な意義があるではないか!」まさにこの連載のタイトルのように“美しく、心晴れやかに”なれた瞬間でした。
メイクを通して見つけた、確かな自分軸。

そう考えると、お客様へタッチアップさせていただく際にも、メイク前のスキンケアから丁寧に施術することが、肌だけでなく心にも作用し、信頼関係を構築する時間になっているのだなと思えたり、日々の取り組みのひとつひとつをポジティブに捉えられるようになった気がします。
OSAJIには様々なプロダクトがありますが、それぞれに肌と心へ作用する役割が存在するのだなと改めて実感し、メイクだけでなく、改めてOSAJIというブランドに、より深く寄り添いたいと思える出来事でした。
PROFILE
後藤勇也
OSAJI メイクアップアーティスト
多数のメイクブランドでのメイクアップアーティスト経験を経て、2020年より「OSAJI」 に入社。社内外のイベントでのデモンストレーションやスタッフの育成に取り組んでいる。OSAJIらしい、その人自身の魅力を惹きたてながら寄り添うメイクが好評。
Interview:Ayumi Oguma