▼遊び感覚で、変化を楽しむ。 | 第5回
OSAJIメイクアップアーティストとして日々、直営店やOSAJI取り扱い店舗で、お客さまに実際にメイクレッスンをさせていただいたり、スタッフへのトレーニングや撮影業務、メイクアイテムの開発などに関わっております。
私がメイクを通してお伝えしたいのは“メイクを心から楽しんでもらいたい、そしてメイクには心を動かす力が宿っており、ご自身に留まらず周囲の方の「笑顔」が増える”ということ。この連載ではその想いをお伝えできたらと思っています。
OSAJI メイクアップアーティスト
後藤勇也
第5回
遊び感覚で、変化を楽しむ。
“メイクを心から楽しんでもらいたい!” 私がこの連載でお伝えしたいことはこの一言に尽きるのですが、今回はちょっと視点を変えて、メイクを”遊び感覚”で楽しむ方法をご紹介します。
多くの方にとって、メイクをすることはあくまでルーティンのひとつであり、 いつも決まったアイテムとステップで、何気なくしていると思います。
そこで私が提案したい方法は、コスメポーチやメイクボックスを前に“目を閉じて”、ランダムにひとつ選び取るというもの。その日のメイクは、この選んだアイテムをポイントにして組み立ててみます。
「忙しい朝にちょっと手間?メイク上級者じゃないと難しくない?」と思う方もいるかもしれませんが、そうやって遊び感覚でメイクを楽しんでいるうちに、自ずとメイクが上手くなったり、流れ作業になりがちな工程に新たな発見が生まれたりします。
何より、1日の始まりにほんの一瞬でもクリエイティブな発想を持つことで、 その日の彩度がぐっと上がり、いいスタートを切れるのです。
実はこのやり方、私がメイクアップアーティストになったばかりの頃に、同じブランドに所属するロンドンのメイクアップアーティストから教わったやり方で、今でもメイクを楽しむ方法のひとつとして、私の中で息づいています。
「いつも同じメイクをしていてマンネリ化してしまう」「ちょっと変えてみたいけど何から試したらいいか分からない!」という方にも、この方法はおすすめです。
いきなり今まで使っていない色に挑戦するのはハードルが高いけど、自分が持っているものの中からニュアンスチェンジしていくことで、少しずつ変化を楽しめるようになると思います。
話が逸れますが、「いつもと少しだけ雰囲気を変えてみたいけど、何から変えたらいいか分からない!」という方には、ベースメイクのカラーを変えてみるのもおすすめです。
具体的には、コントロールカラーを仕込むこと。
パープル系なら透明感が増してクリアな印象に、ピンク系なら血色感が出て柔らかな印象に、ベージュやオレンジなら色補正をしながらヘルシーな印象を演出できます。ベースメイクはポイントメイクと比べて塗る範囲が広いので、実は人に与える印象が実は大きいんです。
さらに、自分にしっくりくるカラーが見つかったら、その色味をアイメイクやチークなどのポイントメイクに活かしてみてください。ベースメイクのカラーを変えることで、メイク全体の雰囲気や表現が変わり、“メイクを楽しむためのきっかけ”になるはずです。
なりたい自分、見せたい自分に近づける。そんな感覚を、ぜひ体感していただけたら嬉しいです。
PROFILE
後藤勇也
OSAJI メイクアップアーティスト
多数のメイクブランドでのメイクアップアーティスト経験を経て、2020年より「OSAJI」 に入社。社内外のイベントでのデモンストレーションやスタッフの育成に取り組んでいる。OSAJIらしい、その人自身の魅力を惹きたてながら寄り添うメイクが好評。
Interview:Ayumi Oguma